機械受注の好調続く

本日、11月の機械受注統計が発表されました。
以前にお話しした予想通り好調を続けています。
在庫循環より設備投資循環は息が長いので、しばらく
好調は続くでしょう。

ロイターの記事によると、アナリスト予想は+1.2%だったらしく、
大外れでした。
個人的には11月の数字は、設備投資循環の推移から容易に
予想できる範囲だと思います。
分析のプロがなぜそんなに低い数字を予想にしたのか
理解できません。

説明をフォローアップデータ集に掲載しました。

日本の在庫循環モメンタムは上昇中だが・・・

先月末に11月の鉱工業生産指数が発表されました。
このブログでは、そのデータに基づき、在庫循環モメンタムを
グラフ化して示しています。

そのグラフを見ると、かなり強い勢いで上昇が続いていることが
判ります。このままなら、デフレ脱却できそうですが、あいにく
消費増税という強力なブレーキがかかります。

回復の初期に日本経済の6割を占める消費を冷やす ことは
大きなマイナスです。
政策ミスで過去に何度も日本経済は回復できませんでしたが、
今回もなのか、勢いで乗り越えられるのか、大きな正念場が
やってきます。

Jトラストの海外事業の損失について

Jトラストが損失を出した韓国の借金事情について
調べてみました。

韓国では、4月から国民幸福基金という制度が開始され、
借金を減免された人が18万人に上っているそうです。

1億ウォン以下の借金を6カ月以上滞納すると、
元金が50%減免され、残りは10年以内に分割返済
するという制度だそうです。
●資産は差し押さえ  ●基礎生活受給者は70%

朴大統領の重点公約だったそうですが、これは
徳政令ですね。この基金がスタートしてから 延滞率が
急上昇しました。

日本にも過払い返還請求という事例がありましたが、
徳政令をやるとは驚きでした。
申請期間は4/1~9/30なので、今回の申請は既に
終了しています。

過去に遡って調べてみて、驚かされました。
この徳政令ですが、大統領選挙の度に行われて
いたからです。

2004年ハンマウム金融、2005年希望モア、
2009年信用回復機金
(5,000万ウォン未満のカード多重債務者が対象)

約5年ごとにつまり大統領選挙の度に元金減免率
30~50%でやって いました。過去にこれだけやれば
棒引きを期待して借金を返済しない人が出てくるのは
当然ですね。

特に、今回は大統領選挙で公約にしたので、
モラルハザードが従来以上に深刻化しました。

Jトラストの想定外だったという話は見方が
甘かったとしか言いようがないですね。

彼らは申請が終了しているので、損失の拡大は
峠を越えていると判断しているようです。

もし、その判断が正しければ、今期には影響しても、
来期はこの損失がなくなる分、業績がUPすること
になります。

ただ、一度崩れたモラルハザードが今後どう影響
するか要注意です。回収率が低下するかもしれません。

また、韓国経済が悪化した場合に不良債権化したり、
徳政令再発などという悪夢も考えられます。

※筆者の個人的な推測が多く入っていますので、
正確さは保証しませんのでご注意ください。

Jトラストのストップ安

7日にJトラストの株価が低迷していることについて投稿をしました。
PBRで見て 割安レベルまで下落しており、M&A資金 を得て
攻めに出られる状態に戻ったと考えたからです。
しかし、甘かったようです。

今日はストップ安で売られました。
パニック売りに なっているので、リバウンドはあるかもしれません。
しかし、 好調な業績で株価が上昇する状況は厳しそうです。

JトラストのHPを閲覧したところ、8日に業績の 大幅下方修正を
発表したことが判りました。これが 今日のストップ安の原因でした。
(投稿した翌日ですね)

消費者金融、クレジットが計画ほど伸びていない事、 買収した
韓国の親愛銀行で貸倒引当金を積み増す ため、大幅に
下方修正するという内容でした。
また、 通期予想を撤回して明らかにしませんでした。

この中で特に問題なのは韓国事業の悪化です。
今後、不良債権が増加する可能性があるからです。

韓国経済が悪化しているので、韓国事業について、
8月末のIRフェアで質問 しました。回答は、利益が出ている
という話で、回収が滞って いるような問題はありませんでした。

その時点で2Qの半ばを過ぎているので、既に韓国の
貸し付け状況の悪化を把握していた可能性があります。
もし、そうならあの説明は問題です。

ただ、こちらも会社の説明を安易に信じたのはいけないですね。
ちゃんと裏付け確認すべきでした。

この大幅な下落で、Jトラストに関しては春の利益を吐き出す
ことになりそうです。

こういった個別リスクに対処するためには、分散投資が必須
ですね。Jトラストでやられても最大でも配分した数%の損失
までです。

もし、Jトラストに全て集中させていたらアウトです。
ストップ安が3日も続けば半分以上飛ばされる危険があります。

今回の件で、裏付けを取ること、分散投資することといった
投資の基本を再確認できました。
(もっともあまり頻繁に再確認したくはないですね)