本日発表の1月鉱工業生産指数に基づき、在庫循環データを更新しました。
定点観測・・・日本の在庫循環モメンタム
フォローアップ・・・各種の在庫循環モメンタム
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日本のマネタリーベース動向(9月)
9月の日本のマネタリーベースが日銀から 発表されました。前年比9.0%増加の124兆円でした。 前年比はやや前月よりUPしました。
しかし、米国がQE3を開始したため、 ドルの通貨供給量に比べると増加ペースが低いです。
予想通り、日銀はあまり動かないよう です。今後は、ドル安による円高が進むと 見ています。経団連は円高対策を要望していますが、 旧型産業の意見ばかりなので、個人的には あまり重視していません。
実際、高付加価値品で他社で生産できない 製品は円高でも国内生産を続けることが 可能です。部品、素材、製造設備などの資本財は日本に生産が集中しています。大震災による 世界的な混乱で、それが明確になりました。
これらの製品は競争力が高く、容易にコピー できません。周辺産業の蓄積が必要なため、 国内で生産が有利です。したがって、日銀が動かずとも、民間企業の努力で、円高を克服することはある程度可能 だと思います。
しかし、電力制限と電力料金上昇はダメージ として響きそうです。電力がなければ、製造設備を稼働できず、 ICT機器での仕事もできません。立ち上がりつつあるクラウドサービスも 制約を受けます。
コマツは自前で発電設備を導入したよう ですが、全ての企業が見習うのは無理 でしょう。
「電力の立て直しが急務」
痛切に感じます。
8月の在庫循環モメンタムについて
在庫循環モメンタムは6,7月急落を続けていたが、 8月はやや持ち直した。6,7月の急落はエコカー補助金切れの影響で、 この影響はしばらく続くだろう。
鉄鋼等にもその影響は及んでおり、素材セクターの 在庫循環モメンタムは全体的にピークアウトした。(グラフは定点観測データ集に掲載)
電子部品の在庫循環モメンタムは今年の2月に ピークをつけてから徐々に下落傾向に入っている。8月はかなり上昇したが、主因は夏休みによる生産 調整で在庫が減少したためのようだ。
出荷は水面下で伸びていない。在庫が増加傾向の兆候を示しており、下期はモメンタムが 下落する可能性が高そうだ。
復興需要は既にない。実体経済的には厳しい。しかし、世界的な金融緩和の資金が日本に入って 来ると、実体経済とは関係なく、不況下の金融 商品高になると見ている。
中小型株はスタートしている。大型株は海外投資家が主役なので、まだ反応していない。
日本の雇用状況について
昨日は米国の雇用状況を調べたので、今日は日本の雇用状況について調べました。米国と違い、日本はリーマンショック直後はあまり落ち込んでいません。
しかし、米国は落ち込みの半分まで回復が続いているのに対し、日本は横ばいです。米国の雇用流動性が高く、日本は硬直的なことが影響しているようです。。
日本は企業が正規社員を抱え込んでいるため、企業内の潜在失業者を含めると、このデータより悪い可能性があります。
米国は金融と家計のダメージ克服には、まだまだ時間がかかりそうです。しかし、ドル安と電力コストの低下で製造業復活などのプラス要因が出てきました。
一方、日本の場合は、輸出企業による製造拠点の海外シフト、内需企業による海外展開などが進行しています。回復の要素が見えません。
原因は国内の需要減少で市場が縮小しているため、それに合わせて供給力を削減しているためです。外需も内需も同じ感じですね。
需要を拡大する政策が必要なのだと思います。 需要が拡大すると、供給拡大で、雇用も増加に転じる可能性が出てくると考えています。