Jトラストの株価が低迷している。
3月後半から急上昇し、5月半ばまで買われていた。
しかし、ライツオファリングによる増資発表が引き金 となって大幅に下落した。
4、5月頃は株価が高値なのに買い手がいた。
現在は株価が安値にあるのに売り手がいる。
不思議な話だ。
株価ピークの5/13と11/7現在の違いは、
(1)株数が6320万株から11,815万株に増加した
(2)資産が990億円弱(増資で得た資金)増加した
(※決算短信の情報により約976億円に修正)
(3)株価が4,560円(調整前)が1,596円に下落した
ということだ。
これをPBRで見直してみる。
3月末時点の一株 純資産は約1,000円なので、
(※決算短信の情報より1,014円/株)
ピーク株価でのPBRは 4.5倍だ。
現在は増資によって一株純資産は増加している。
単純に3月末の純資産に990億円加わったと仮定すると、
一株純資産は1,400円弱でPBRは1倍強だ。
(※決算短信の情報より1,383円/株)
株価ピーク時の1/4しかない。これは2012年3月時点に
相当する。チャートで見ると、底打ち後の最初の押し目 である。
いくら増資で希薄化したからと言って、そこまで 安いか?
JトラストはM&Aで成長してきた会社である。 M&Aで重要なのは、
①妥当な価格で買収する
②M&A後に統合効果を発揮させる
③M&A資金を持っている
ことだと思う。
これまでの実績で①②については問題ないと思う。
そして、③についてだが、 これは高値だった5月の時点より増資で
資金を手にした現在の方が文句なしに有利だ。
武器弾薬が不足していた5月に買うより、 たっぷりと補給をした
今の方が面白そうなのだが ・・・
マーケットの評価を見る限り、あまり期待されていないらしい。